創作書家 |
高野こうじ さん |
たかのこうじ・第10期生 |
ミュージシャンや役者を経て、5年ほど前から「創作書家」としてユニークな活動をする高野こうじさんはムサムラの10期生。路上パフォーマンスから始まった自己表現としての「書」によって、可能性を広げ続ける才能の持ち主です。
(取材2003.03杉山)
創作書家です。既成のスタイルに囚われない独特な書体で表現しています。真白な紙の前で筆を握るととても静かな気持ちになります。書っていうのは僕にとって、等身大になるための手段なんです。
先ほども言ったように自分自身が等身大に写る鏡を探していたんだと思います。それまでは音楽や役者、コピーライターとしてサラリーマンをしていたこともありました。漠然とした迷いに包まれていたときに高校時代からの付き合いの友人に「おまえは言葉だろ」って言われて自分の原点に改めて気づいてこの仕事に入ってゆきました。一見回り道をしているようでもありますがいろいろな今までがあったから今があるんだと思ってます。
ええ、書を始めてすぐにセントラル・パークとソーホーの路上で。結果 的にはさんざんで帰りの飛行機では眼下に見えるニューヨークの街を見て窓を叩きましたけどね、「チクショー」って(笑)。でもそれが きっかけになって、日本でも路上パフォーマンスをするようになったんです。思い通 りにならないから努力してゆくものなんだって思いますね。
路上で僕の書を見て足を止めてくれた人から思いを聞いて、そこから言葉を紡ぎ出すんです。もう2万人を越えたでしょうか。年齢層も小学生から99歳のご老人まで幅広く、そういった出会いから私も多くのことを学びました。。
なんでしょうね。当時は癒しブームでしたからその影響もなかったとはいえませんが、単に「癒し」というだけならとっくにつぶれてたでしょうね。多くのことを器用にできる人間ではないので真面 目に黙々と愛する仕事を続けてゆくだけです。
講演とか、企業やイベントなどでの書き下ろしパフォーマンス、あるいはショップのロゴやサインボード、お酒のラベル等を書いたりといろいろですね。でも「書」ですべてがつながっています。
ありませんね。好奇心は旺盛なのでいろいろな扉を開けてみたいとは思いますがその扉はすべて書から続いているものです。書は本当に多くのことを教えてくれました。これか らもそうでしょう。
ヤンチャやってましたね(笑)。バンドやってたんで帰宅部でしたから早くからマエミセ(高校の正面 にある武蔵村山高校の生徒のための商店)でたまっていました。当時あそこにあった黒い椅子は最高の座り心地でした(笑)。出来の悪い生徒だったので先生にはかわいがられていたかも知れませんね。
ただ、いいものが作りたいということです。なにが「いいもの」かってことは自分にしかわからないことですけど、なんにせよ動いてみないことにはなにも変えられないじゃな いですか。挫折も力です、だから自分を信じることがなにより大切だと思ってます。音楽やってたせいかもしれませんけど、スピリットはロックですね。
いっぱい苦労して悩みましょう。つまずいて初めて本当の痛みを知ると思います。そして出逢いを大切に。
僕のテーマは「冒険・挑戦・ユーモア」。これからも続くその旅の中で皆さんに出逢えたら嬉しいです。
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高野こうじさんさんプロフィール
1968年10月18日生まれ。ミュージシャン、役者などを経て98年頃より書の創作活動を開始。原宿表参道等で通 行人の話を聞き言葉を紡ぐ“路上パフォーマンス”を展開する。 独特の書体と、その場で紡ぎ出される熱い言葉が話題となる。その他、講演、企 業やイベントなどでの書き下ろしパフォーマンス、ショップのサインボードなどの文字を書く。
2002年9月、初の作品集「流されず流れてゆく」をPHP研究所より出版。
ホームページは、https://www.takanokoji.com/
メールアドレスは、rodeo@virgo.auric.ne.jp
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