武蔵村山市 副市長 |
石川 浩喜 さん |
いしかわひろき・第3期生 |
長年に渡り、私たちの母校がある武蔵村山市役所の職員として、真摯に仕事と取り組んできた石川浩喜さん。その誠実な人柄と業績を見込まれ、2021年に副市長に選任されました。以後、市民のみなさんと街の発展を願い、多忙な毎日を過ごしています。今回はそんな石川さんに、「仕事への思い」や「夢の扉の開き方のヒント」などをうかがいました。(取材2022.06.29.杉山+児玉)
副市長就任はまったく予想していなかったので、打診を受けたときは驚きました。「私に務まるでしょうか」と言ったくらいです(笑)。しかしせっかくのお話なので、家族とも相談し、思い切って引き受けることにしました。30数年の間、環境や生涯教育、福祉、総務、議会事務局など、さまざまな業務を担当したものの、まさか副市長になるとは思いませんでした。市長とは以前、仕事をご一緒したことがあるし、お話をする機会も多かったので、信頼してくださったのかもしれません。私を認めてくださり、ありがたいことです。
市長が掲げる政策の実現に向けて活動するパートナーとして、市役所職員とともに政策をすすめ、課題に取り組む役目だと思っています。具体的には、市政が正しく運営されているか、各部署の方向性が市長の方針と合っているかなどを確認したり、議会との調整などが主流です。
それぞれが大切な業務ですが、今、とくに重要視しているのは多摩都市モノレールの延伸をはじめとした、街づくりに関すること。ご存じのように、武蔵村山市は東京26市のなかで唯一鉄道の駅がありません。駅を作って利便性を向上させ、開発を進めれば、人口も増え、にぎやかさが増すでしょう。そのためには、考えることや勉強することは山盛りです。しかしこの街は、まだまだ発展の可能性を秘めているし、市民のみなさんのご期待も大きいので、やりがいがあります。計画実現に向け、職員が一丸となって取り組んでいます。
「市民のみなさんの立場になって考えること」。常々職員にも話し、意識してもらうようにしています。その大切さは、市役所に入ったばかりの頃はよくわかっていなかった気がします。さまざまな人と仕事をし、経験を積むにつれて学びました。相手の立場になってみることは、どんなときも必要ですね。
印象に残っているのは、野球部での活動。まさに高校野球に青春を捧げていました。当時は近所のグラウンドを借りて練習をしたものです。都立高校の中でもかなり本格的にやっていたと思います。私は3期生なので、当時はやっと3学年が揃った新しい学校でした。当然、野球部の実績もありません。しかし、先輩方の頑張りのおかげで、私が1年生のときは夏の大会でシード校になったし、都内でベスト16位になったこともあります。
当時の武蔵村山高校野球部(3期生卒業アルバムより転載)
練習はとにかくキツかった。いつもヘトヘトになって帰宅しました(笑)。しかしあの苦しい練習と過酷な夏の暑さと闘った経験は宝物。精神的に鍛えられたと思います。社会人になってからも、「あの辛い練習を3年間続けたのだから大丈夫だ」と心の支えになりました。3年間で身長が20センチ伸びたのも、練習のおかげかもしれませんね。
まさにそうですね。当時、部員は3学年合わせても30人くらい、同学年は10人くらいと、かなり少ない。それだけに仲間との団結は強かったですね。これも練習の副産物でしょう。卒業してからも、一緒に草野球を楽しんだりしていました。1期生の先輩が還暦を迎えるのを機に、監督と1~3期生で同窓会を開いたこともありました。この集まりは毎年開催したかったのですが、翌年からコロナの影響で断念。コロナ問題が解決したら、4期生以降の部員にも声をかけて、ぜひ再開したいですね。
残念ながら、あまり勉強をしなかったことです。なかでも英語は、もう少し努力すればよかったと、実感しています。武蔵村山市は横田基地と接しているので、イベントに参加したり、軍関係の方とお話したりする機会があります。その際、どうしても通訳を通しての会話になります。もう少し英語を勉強していれば、もっとコミュニケーションを取れるのに、と。職員のなかには英語が堪能な人も多く、市民課の窓口などで活躍しています。そういう姿を見ると、痛感します。
私は「至誠天に通ず」という孟子の言葉が好きです。これは誠心誠意を尽くして努力すれば、道は開けるというもの。いつも心に留めるようにしていますし、職員にも「何事にも誠意を持って対応しよう」と話しています。同窓生のみなさんにも自分の夢や目標と真摯に向き合えば道は開けますよ、と伝えたいですね。
市民のみなさんの役に立ち、信頼される人間になること。現在の市長である山﨑泰大市長は以前副市長を務めていたのですが、その頃からどんな相談にも的確な回答やアドバイスを返す方でした。私も今、さまざまな相談を受ける立場になったけれど、同じように適切なことを言えているだろうかと、自問自答しています。私はイチローさんのファンですが、彼の語録に小さなことの積み重ねが大切、というものがあります。仕事も同様でしょう。その積み重ねの中で、目標に近づいていきたいと思います。
石川浩喜さんプロフィール
武蔵村山市出身。武蔵村山市 副市長。
3期生。高校時代は3年間野球部に所属し、野球三昧の日々を過ごす。ポジションはセカンド。大学卒業後は、生まれ育った街の役に立ちたいと市役所に就職。以後、さまざまな部署を経験後、2021年に副市長に就任。市長や市役所の職員とともに、街づくりをはじめとした業務に取り組む。
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